FXトレードで参考にしたい経済指標

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よくFXトレードを行うにあたり「経済指標発表時が大事」という言葉を耳にすることがあります。とはいえ海外FX初心者は、トレードすること自体もままならない中、経済指標まで意識しながらトレードするなんてことはなかなか難しいのが現実です。ただし、FXで安定的な利益を獲得していくためには、経済指標発表タイミングでのトレードは有効な方法であることに間違いありません。

ここでは、FXトレードで重視しておきたい「経済指標」について見ていきます。

経済指標とは?

経済指標とは

経済指標とは、各国の中央銀行や政府が発表する経済動向を示す数値データを指します。経済指標には景気の状態、雇用状況、物価の動向など多岐にわたる指標があり、これらの発表直後には為替市場に大きく変動する可能性があります。経済指標は発表されるスケジュールが決まっているものがほとんどで、その指標の特性やスケジュールを把握しておくことで、為替レートがどう変動するか注視しておくことが重要です。

重要な経済指標一覧

FXトレードにおいて注しておきたい経済指標には以下のようなものがあります。

経済指標

・米国雇用統計
・中古住宅販売件数
・中古住宅販売保留件数
・耐久財受注
・生産者物価指数
・新築住宅販売件数
・消費者物価指数
・住宅着工件数
・鉱工業生産
・建築許可件数
・小売売上高
・GDP(国内総生産)
・貿易収支

米国雇用統計

米国雇用統計

米国雇用統計とは、アメリカ合衆国労働省労働統計局(Bureau of Labor Statistics, BLS)が毎月第一金曜日(原則)に公表するアメリカの雇用状況に関する重要な経済指標のひとつです。この雇用統計では、非農業部門の雇用者数の変動、失業率、平均時給の変化など、労働市場の状況を示す様々なデータが含まれています。米国雇用統計は、アメリカ経済の健全性を測る重要なバロメーターとされ、内容によっては為替市場や株式市場に大きな影響を与えることがあります。特に雇用の増減や失業率の変動は、経済成長の見通しやインフレの圧力を示すため、投資家から高い注目を集めています。

中古住宅販売件数

中古住宅販売件数とは、特定の期間内に販売された中古住宅の総件数を示す経済指標です。住宅市場の活動状況や消費者の信頼感、経済の健全性を反映する重要な指標とされています。中古住宅販売件数が増加すると、住宅市場が好調であることを示し、逆に減少すると市場の冷え込みを示唆する場合があります。よって投資家は、この指標を経済の先行き予測するための重要データとして活用しています。

中古住宅販売保留件数

中古住宅販売保留件数とは、購入契約が成立したものの正式な販売完了していない中古住宅件数を指します。この指標は、将来の中古住宅販売件数の動向を予測するのに役立ちます。契約成立から実際に取引完了するまでには時間がかかるため、販売保留件数は近い将来の市場活動の指標として解釈されます。このデータは、不動産市場の健全性を測るためや、経済全体の動向を把握する上で重要な情報源の一つとされています。

新築住宅販売件数

新築住宅販売件数とは、特定の期間内に建設され、初めて市場で販売された新築住宅の総件数を指します。この指標は、住宅市場の健康状態と経済全体の活動を反映する重要な経済指標であり、新築住宅の販売件数が増加すれば住宅市場が活発であること、消費者の信頼感が高いこと、また経済が成長していると見なされます。逆に販売件数が減少すると、市場の需給バランスの変化、消費者の信頼の低下、あるいは経済全体の減速の可能性が考えられます。新築住宅販売件数は、住宅市場以外に建設業、金融サービス、家電製品市場など多くの関連産業にも影響を及ぼすため、経済分析においてかなり重視されます。

住宅着工件数

住宅着工件数

住宅着工件数とは、一定期間内に建設開始された住宅の総数を指す指標です。新たに建設が始まった一戸建て住宅、マンション、アパートメントなどの住宅全体をカバーしており、住宅市場や建設業の活動の活発さを示す重要な経済指標の一つとなっています。住宅着工件数が増加すると、経済が成長している、雇用が増えている、消費者の信頼が高まっていることなどポジティブな経済動向を示すサインと解釈されることが多いですが、住宅着工件数が減少すると、経済の先行きに対する懸念、住宅市場の弱さ、または資金調達の困難さなど、ネガティブな側面を示唆していると見なされることがあります。

耐久財受注

耐久財受注とは、耐久性のある商品(寿命が3年以上の使用が見込まれる商品)に対する新たな注文の総量を指します。商品としては自動車、家電製品、航空機、機械設備など長期間使用が想定される製品が含まれます。この指標が増加すると経済成長の強さや製造業の活性化が示唆され、減少すると経済の減速や消費者信頼の低下を示す場合があります。

生産者物価指数(PPI)

生産者物価指数(PPI: Producer Price Index)とは、製造業者や卸売業者が商品を市場に供給する際の価格変動を測定する指標となります。この指数は、製品が最終消費者に届く前段階での価格を反映しており、経済内の物価水準の変化を捉えるために利用されます。生産者物価指数は、原材料の価格変動、製造コストの変化、供給と需要のバランスなど、経済活動の初期段階における価格の動向を示すことから、インフレ圧力の先行指標としても注目されます。この指数が上昇すると、コストの増加が最終的に消費者価格に転嫁される可能性があることを意味し、インフレ兆候と見なされることがあります。逆に指数が下落すると、経済内の物価圧力が緩和している可能性があると解釈されます。

消費者物価指数(CPI)

消費者物価指数(CPI)

消費者物価指数(CPI: Consumer Price Index)は、日常生活で消費する商品やサービスの価格変動を測定する指標です。食品や衣服、住宅、医療、教育、交通など、特定の商品とサービスのバスケットの価格変化を追跡し、その結果から一般的な物価水準の変動を示します。
消費者物価指数は、インフレやデフレの動向を捉えるための重要なツールとして利用され、経済政策の策定や賃金交渉、年金や社会福祉給付などの調整基準としても使用されます。

消費者物価指数の上昇は、物価が全般的に上昇していることを意味し、消費者の購買力が低下する可能性があります。逆に下降すると、物価が下落していることを示し、デフレの可能性を示します。

鉱工業生産

鉱工業生産とは、鉱業、製造業、公益事業(電力、ガス、水道など)を含む工業部門における物品やサービスの生産活動の量を示す指標です。特定の期間における工業製品の生産量や生産能力の変化を測定し、経済の成長率や工業部門の健全性を評価するために使用されます。鉱工業生産指数は、経済全体の活動水準や景気の動向を把握する上で重要な役割を果たし、政策立案者や投資家が経済の現状と将来の見通しを分析する際の基本的なデータの一つとなっています。

小売売上高

小売売上高

小売売上高とは、小売業者が特定期間内に販売した商品から得た総収入のことを指します。消費者の購買活動の強さや消費動向を測定するために用いられ、経済全体の健全性や景気動向を把握する上で重要なデータとされており、食品、衣類、家電、自動車など、様々な商品カテゴリーが含まれます。

小売売上高の増加は、消費者の信頼が高まり人々が積極的にお金を使っていることを示し、経済が拡大している可能性があることを意味します。一方、小売売上高の減少は、消費者の支出が抑制され経済成長が鈍化している可能性があることを示しています。

GDP(国内総生産)

GDP(国内総生産)

GDP(国内総生産)とは、一定期間内に国内で生産されたすべての最終財・サービスの市場価値の合計を指します。経済の総出力を測る基本的な指標となり、国の経済規模や経済活動の水準を示す重要なデータとされています。このGDPは、経済成長の度合いを評価するために用いられ、増加するGDPは経済の拡大を、減少するGDPは経済の縮小を意味します。
そのため、GDPの増減は投資家にとって重要な情報源であり、経済の健全性を判断するための基準として広く利用されています。また一人当たりのGDPは、国民の平均的な生活水準や経済的福祉を測る指標としても用いられます。

貿易収支

貿易収支

貿易収支とは、ある国の一定期間内に行った輸出と輸入の差額を指します。具体的には、貿易収支は輸出から輸入を引いた値で算出され、正の値を示す場合は貿易黒字、負の値を示す場合は貿易赤字となります。貿易黒字は、その国が輸出した商品やサービスの金額が輸入したものを上回っている状態を意味し、外国からの純収入があると見なされます。一方で貿易赤字は輸入が輸出を超えている状態を示し、国内の消費や投資が国内生産を超えて外国からの製品やサービスに依存していることを意味します。持続的な貿易赤字は、国の対外債務の増加や為替レートへの圧力といった経済上の問題を引き起こす可能性があります。

貿易収支のデータは、政府や中央銀行が経済政策を立案する際の基本的資料として利用され、投資家はこの情報を基に市場の動向を分析し、投資戦略を立てる際の重要な指標としています。